以前の教科書では、当時のJISの表記を基に「酢酸ビニル樹脂系エマルジョン形」という表記をしておりましたが、現在のJIS A 5549「造作用接着剤」では、「酢酸ビニル樹脂系エマルション形」と変更されており、その表記に合わせて記述を変更しております(そのほかJIS A 5536、A 5538、A 5547など)。
なお、現在のJIS規格でも、「エマルジョン」と「エマルション」の表記が混在しております。これらにつきまして、接着剤を製造しているメーカーに問い合わせますと、どちらの表記も間違いではなく、業界でも混在して商品名などに使用しているということでした。「emulsion」の英語の読み方でどちらの表記にするか違いがあるようです。ただし、「エマルション」の方が「樹脂が水中に分散したものの分類」を指す正式名称であるという見解を持つメーカーもありました。(JISでは、「エマルション」を「互いに溶解しない二液体の一方が微粒子となって他方の液体に分散した系」と定義されております。[JIS K 3211])
一方、[JIS K 6804]では「酢酸ビニル樹脂エマルジョン木材接着剤」と記述されており、「エマルジョン」と表記されている例もありますので、今後、業界の情勢なども参考にしながら、表記を検討してまいります。