【対象】
令和6年度版「新編 新しい地図帳」
令和2年度版「新編 新しい地図帳」
地図記号は、世界的に見ると千差万別です。国によって異なるケースも多いのですが、なかにはよく似ているものもあります。国ごとに地域の特徴を表現した記号を用いています。
日本の学校教育では、国土地理院による地図記号が標準になっているといえます。義務教育諸学校教科用図書検定基準(平成29年文部科学省告示)で「地図記号は、特殊なものを除き、国土地理院発行地形図記載の地図記号によること」とされているからです。この“地形図”とは、縮尺2万5千分の1及び5万分の1の地図のことです(1万分の1地形図もありますが、記号が若干異なります)。
国土地理院の地図記号は、(1)簡潔に表現、(2)そのものをイメージさせる、(3)他の区分がつくこと、を基本にしています。使う人々が想像しやすい形として、神社の“鳥居の形”、博物館の“建物の形” などがあります。一方で、税務署の“そろばんの珠の形”や裁判所の“高札の形”などは今の子どもたちにはなじみが薄いと思われ、また、学校の“文”や郵便局の“〒”は日本では理解しやすくても、外国の人には通じないでしょう。国土地理院では、外国人にわかりやすい地図作成の取り組みとして、外国人向けの地図記号も定めています。
「新編 新しい地図帳」「新しい地図帳」では、地図学習のページに国土地理院地形図の記号を掲載しています。ただし、他の多くの地図のページが縮尺100万分の1の“地方図”や50万分の1の“都市圏図”、あるいは世界地図となっているため、独自のわかりやすい絵記号(トマトはトマトのイラストにするなど)を使い、小学生が地図に親しめるように工夫しています。
地図記号は覚えればいいというものではなく、利用する際に「凡例」を確認することが大切です。