【対象】
令和6年度版「新編 新しい算数」
4年「がい数の表し方と使い方」の単元では、答えが概数であるかが明確になっていない場合は、答えに「約」をつける必要性が高いと考えますが、「新しい算数」4上p.122△2、p.124△3のように、問題文に「がい数にしましょう」とあり、概数で答えることが明確な場合は、答えに「約」をつけていません。それは、概数で答える数に必ず「約」をつけますと、概数を答える問題では必ず「約」をつけなければいけないという誤解や、「約」がついていない数は概数でないという誤解を生む恐れがあるからです。
一部例外として、「新しい算数」4上p.121△1は、初めて概数を学習する場面であるため、四捨五入して処理した数が概数であることを明確に意識づけるために、答えに「約」をつけています。
日常で目にする道路標識、案内板などの「〇〇 5km」などといった表示は概数ですが、一般に、「約」はついていません。また、2、3年の長さ、かさ、重さの学習で計器の目盛りを読むときに、目盛りと目盛りの間の数について目盛りの近い方で読んで数量を表します。すなわち、測定値は概数ですが、「約」や「およそ」をつけないで表してきています。このように、日常場面、既習場面で概数と出合ったり使ったりしてきていますが、「約」をつけないで表すことが多々あります。
これらのことから、概数であることが明確な場合には、「約」をつけなくても差し支えないと考えます。
ただし、教師用指導書の答えに「約」がついていないところで、「約」をつけても誤りではありません。指導者の裁量で柔軟に取り扱うべきことと考えます。