【対象】
令和6年度版「新編 新しい保健」
犯罪被害の要因には、人的要因と環境要因があり、「周りから見えにくい場所」「だれでも簡単に出入りできる場所」は環境要因に当たります。
場所(環境)に注目して犯罪を考える「犯罪機会論」では、犯罪が成功しそうな場所を分析した結果、犯罪者が犯行に及びやすい場所は「監視性」と「領域性」が低い場所であるとしています。「周りから見えにくい場所」は「監視性が低い場所」であり、犯罪者がだれにも気づかれず犯行に及び、通報されずに逃げることができます。また、「だれでも簡単に出入りできる場所」は「領域性が低い場所」であり、犯罪者が簡単に被害者に近づいて犯行に及び、簡単に逃げることができます。
ご質問にあるように、同じ環境でも犯罪から子どもを守ってくれる人が多い場所であれば、「監視性」の面から犯罪の危険性が下がることは考えられますが、「領域性」の面から考えた場合は、境界を明確にする、出入り口を限定するなどの環境の改善が必要といえます。