「新しい書写」で使用している教科書体という活字では、「木」の二画目の終筆を「とめ」の形で表しています。これは、「小学校学習指導要領解説 国語編」の第4章2(1)エの「(エ)漢字の指導においては、学年別漢字配当表に示す漢字の字体を標準とすること。」に基づき、学年別漢字配当表に示された字形に即しています。また、解説には次のような説明があります。
「常用漢字表」(平成22年内閣告示)の「前書き」及び「常用漢字表の字体・字形に関する指針(報告)」(平成28年2月29日文化審議会国語分科会)においては、次のような考え方が示されています。
「・字体は骨組みであるため、ある一つの字体も、実際に書かれて具体的な字形となってあらわれたときには、その形は一定ではない。同じ文字として認識される範囲で、無数の形状を持ち得ることになる。」
このような考え方を踏まえたうえで、「木」の縦画の終筆については、一般に「とめ」で書いても「はね」で書いてもかまわないとされています。
生徒の書いた漢字の評価については、「常用漢字表」の「(付)字体についての解説」や「常用漢字表の字体・字形に関する指針」の記載を踏まえ、指導の場面や状況を考慮し、柔軟に評価するとよいでしょう。
また、活字は、印刷のしやすさや、印刷物の読みやすさに配慮してデザインされているため、手書きの文字とは違いが出ることがあります。
「新しい書写」では、コラム「速く書きやすい書き方」(p.23)で、手書き文字のさまざまな字形について紹介し、「文字のいずみ 手書き文字と活字」(p.72・73)で、手書き文字と活字とを比べて点画の書き方や画数などの違いについて説明しています。これらは、「常用漢字表」の「(付)字体についての解説」に基づいています。「常用漢字の字体・字形に関する指針(報告)」もあわせてご参照ください。