それぞれ、下記のとおりとなります。
「九成宮醴泉銘」
(文字)
足深尤至於炎景流
金無欝蒸之気微風
徐動有凄清之涼信
安体之佳所誠養神
之勝地漢之甘泉不……
(意味)
(……ほんとうに)心がとがめるが、金を溶かすような炎天のときでも、蒸し暑い感じはせず、微風が静かに吹き、すがすがしい涼気があるのに至っては、まことに体を休めるよいところであり、まことに心を養うのに優れた地である。漢の甘泉宮でさえも(かなわないだろう。)
「蘭亭序」
(文字)
永和九年歳在癸丑暮春之初会
于会稽山陰之蘭亭脩禊事
也群賢畢至少長咸集此地
有崇山峻領茂林脩竹又有清流激
湍映帯左右引以為流觴曲水……
(意味)
永和九年(353年)、癸丑(みずのとうし)にあたる歳、三月の初め、会稽山陰の蘭亭に会合した。禊を行うためである。賢人は全て至り、老いも若きもみな集まった。この地には高い山険しい嶺、よく茂った林と高く伸びた竹とがあり、また清らかな流れと早瀬があり、辺りに照り映えている。それを引き込んで流觴の曲水を作り……
「曹全碑」
(文字)
供事継母先意
承志存亡之敬
礼無遺闕是以
郷人為之諺曰……
(意味)
継母に仕え、何も言われないうちに気持ちを悟って望みをかなえ、存命中のものと亡くなったものとを敬い、その礼には欠けたところがなかった。そのため、郷人は、ことわざを作って……
「蓬萊切」
(文字)
於本曽らに むれ多るたづ
能 さしな可ら おもふこゝ
ろの あ利げ那る可奈
(意味)
大空に群れている無心の鶴も、飛んで行く方を目指しながら、全てがあなたの長寿を祝う心があるように見える。