「環太平洋造山帯」「アルプス・ヒマラヤ造山帯」の用語がなくなり、「変動帯」が使われているのはなぜですか。
【対象】
令和3年度版「新しい社会 地理」
令和7年度版「新編 新しい社会 地理」

 地球上で地震活動や火山活動が活発な地域は限られていて、帯のように連なって分布しています。現在一般的になっているプレートテクトニクス(地球の表面が十数枚のプレートにおおわれ、それぞれが動いているという学説)の理論では、プレートの境界に沿った地域と、地震や火山の活動が活発な地域が一致していることがわかっています。このような場所のことを「変動帯」とよびます。一方、「造山帯」をつくりだす「造山運動」はプレートがせばまる境界で起こっており、プレートが広がる境界とずれる境界は、地震活動や火山活動が起こる「変動帯」であるにもかかわらず、「造山帯」ではありません。また、「造山帯」はプレートテクトニクスの理論が一般的になる前から使われてきた古い用語であり、すでに学界では一般的でなくなったこと、高等学校で学習する造山帯には、「新期造山帯」と現在のプレート境界における変動が起こっていない「古期造山帯」とがあり、中学校では前者しか扱っていないことなどから、弊社教科書では「変動帯」を用いることにしました。
FAQID:k-04-00012-0

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