【対象】
令和7年度版「新編 新しい科学 2年」
この実験は、銅またはマグネシウムをガスバーナーで加熱して酸化させ、質量の増加を測定する実験で、理論的には、銅の場合は銅と酸素の質量の比が4:1、マグネシウムの場合はマグネシウムと酸素の質量の比が3:2となります。しかし、一般の学校の設備ですとなかなかこのようなきれいな結果を得るのは難しいようです。よりよい結果を得るためには、次のような点にご留意いただくとよいようです。
•できるだけ新しく購入した、粉末の細かい金属を使用する。
•ステンレス皿はあらかじめ加熱・冷却をしておく。
•可能ならば、金属粉は加熱する前にデシケーターなどを用いて乾燥させておく。
•金属はステンレス皿全体になるべく薄く広げて加熱する。
•銅粉の場合は表面が薄くコーティングされている場合があるので、あらかじめ薄い塩酸で洗浄・乾燥させておく。
•可能ならば、40メッシュのステンレス金網を、ステンレス皿の上にのせて加熱する。
ただし、これらのことに細心の注意を払って実験しても、その日の湿度や気温などにも影響されてきれいな結果が得られない場合があります。教科書ではこのようなことにも配慮して次のように構成しております。
p.68-69の実験7は、金属の酸化による質量増加が一定量を超えない(限界がある)ことや、反応する金属の質量と結びつく酸素の質量は一定の割合になることを見いだすことを目的としました。その際、実験7の結果が理論値からはなれてしまった場合でも、p.70-71のご指導に支障を来さないように、p.71表1では結果例として理論値を掲載しました。
編集委員会でも難しい実験であると認識していますが、定量的な実験が減っている中で少しでも生徒が定量的なデータの扱いに触れることができればと考えて掲載した実験です。理論値からはなれてしまう場合には、増加量が理論値よりも低く出ることが多いようです。生徒の理解度に応じて、その理由について考察させていただけると幸いです。