【対象】
令和7年度版「新編 新しい科学 3年」
この実験設定の意図は、エネルギーと仕事への導入実験として、生徒の興味・関心を大切にしたいということです。そのため、実験結果からきちんとした理論通りのグラフがかけるというものではありませんが、「質量が同じ場合、速いものの方がエネルギーは大きい」「速さが同じ場合、質量が重いもの方がエネルギーは大きい」ことを、定性的に理解させるという学習指導要領の意図は実現できる実験だと考えております。
以下、そうした前提にたってお答えいたします。
・速度計をうまく通すために:速度計をうまく通すには、はじくキャップをなるべく速度計に近づける必要があります。はじくキャップをできるだけ速度計に近づけて置くことで、速度計の中を通らないという事例は、少なくできると思います。また、速度計と当てられる先頭のキャップとの間隔もなるべく小さくしてください。そうすることで、先頭のキャップに当たりにくいということも起こりにくくなります。
・速度計が反応しない:速度計のセンサーの位置については、こちらで追試を行った際には、センサーの位置が多少低かったこともあり、センサーが反応しないということはほとんど生じませんでした。センサーの位置が高い場合の対処法としては、粘土を詰めたキャップに空のキャップを重ねて高さを出すことが最も簡単な方法かと思います。
・はじき方の強弱を変えるのが難しい:「強くはじく」「弱くはじく」ことをはっきり使い分けることは、難しい部分があります。そこで、実験の手順においては、ある程度はじき方の強弱を意識させる程度とし、グラフ用紙にプロットすることによってはじいたキャップの速さと動いたキャップの個数の関係について定性的につかませるようにしてください。
・動いたキャップの判断基準:統一した判断基準を作成して、その基準を徹底すれば、定性的にエネルギーの性質をつかむ程度の結果は十分得られます。例えば、「枠から半分以上はみ出たら動いたと判断する」「枠から少しでもはみ出たら動いたと判断する」といった基準などです。教師用指導書にもその部分の注意点をまとめていますので、ご参照ください。
・何度も測定するのは時間がかかる:各班の結果をまとめることで、試行回数を減らすこともできるかと思います。