【対象】
令和7年度版「NEW HORIZON 言語材料について
後置修飾の指導の流れで、より単純な形から導入できるようにするためです。
関係代名詞を扱う際には、関係代名詞を単独で考えるよりも、英語構造の1つの特徴である「後置修飾」の流れと関連づけて系統的に指導するほうが理解しやすい、と考えられます。
後置修飾については、Book 3 Unit 5までに、以下のようなものを学習してきました。
・前置詞句によるもの (例:Look at the rabbits in the picture.)
・不定詞によるもの (例:She has a lot of work to do.)
・現在分詞・過去分詞によるもの (例:This is a movie called .... / The woman smiling in a kimono is ....)
この流れを受けて、Unit 5では新たに「節(主語+動詞)」による後置修飾として、接触節と関係代名詞節を学習します。
その際、接触節は
This is a picture I found on the internet. (Book 3、Unit 5、p.62)
という文を例にとりますと、
a) I found a picture 「私は写真を見つけた」
b) a picture I found 「私が見つけた写真」
のように、語順を変更するだけで新しい修飾構造ができるので、学習上の負担が比較的少ないと言えます。また、上の日本語訳を見てもわかるとおり、明示的な関係代名詞を持たない日本語にも、英語と同様に語順の変更によって修飾節を作る機能があるため、その点でも理解しやすいでしょう。
こうして節による後置修飾の機能にある程度慣れてから、
Gandhi is a man who has influenced a lot of people around the world. (Book 3、Unit 5、p.63)
のような主格の関係代名詞を導入し、語順の変化だけでは節として後置修飾できない場合に、whoのような語が必要になることを説明します。そして次のページでは、「もの」の場合はwhoがthatやwhichになるということをつけ加えます。
このように、最初に「節でも後置修飾ができる」という最重要のポイントを単純な接触節の形で導入し、そのあとで、関係代名詞について順を追って学ぶ、という流れは、易しいものから難しいものへ、という学習の自然な流れであると考えています。